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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

に撞着せざるを得ない非我は茲では却って自我を制限するものとして現われる。併しこの非我も実は自我の作用の所産の外ではあり得ない筈であるから、自我は非我を克服して自らのものとなすべき努力の当為を負わされて来る。この時自我は理論的領域から実践的領域に移り、そこで初めて非我との対立を解消して自我本来の面目に到着する。之が道徳の世界である。処でこの叙述の体系は現実そのものの構造と一つであることを注意せねばならぬ、と云うのは之は現実に関する思想ではなくて、この思想そのものが現実だと云うのである。かくしてこそ初めて哲学は真正の意味での体系を有つことが出来る。こう考えることが観念論の典型たる所以である。但し茲でいう自我は決して個人的な経験的な自己でもなく又所謂意識という如き主観でもない。その限りフィヒテの立場は寧ろ客観的であると考えられるべく又より正しくは主客の対立を絶した絶対的な立場と考えられるべきである。一七九六年『知識学の原理による自然法の基礎』(Grundlage des Naturrechts nach den Prinzipien der Wissenschaftslehre)を出版。