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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

もし仮に存在自身が弁証法的であるならば、その存在は仮現の世界であってまだ真の存在界には属さないであろう。イデア自身は、であるから到底弁証法的ではない。かくてプラトンの弁証法はかの主観的弁証法に属する峻峯でなくてはならない。夙に対話篇的な労作を脱して実証的な諸材料を科学的に整理しようとしたアリストテレスは併し、プラトンの理論のもつ弁証法の意義を、単に学問の準備的手段・思惟の訓練と論争との手段に過ぎぬものにまで堕した。プラトンの主観的弁証法が積極的であるならばアリストテレスの夫は消極的と呼ばれて好い(積極的と消極的とのこの区別は後に夫々、ヘーゲルとカントとの弁証法に就いても一応通用するであろう)。

以上の一連の主観的弁証法に対して客観的弁証法を取ったものは、新プラトン学派の最後の代表者プロクロス(Proklos)であるように見える。師プロティノス(Pl※(サーカムフレックスアクセント付きO小文字)tinos)によれば真の存在たる神性は一者であり、この一者が形相(形式)から初めて質料に至るまでの凡ての範疇をば自らを損ずることなく分出するのであり、而もこれ等諸分出は終に一者の内を出ないのであるから結局一者への復帰を意味する。