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のうそん

農村

宮本 百合子

「多喜二と百合子 七号~十三号」多喜二・百合子研究会、1954(昭和29)年12月~1955(昭和30)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,223 字 · 97 页

青空文庫

とうとう私の居る間は立て廻しから抜けてもらう事にしたけれ共、小学校の先生の家の人や、あの「おともさん」は立つ毎に来て入って行った。これ共はこばむ事の出来にくい人達だった。その晩は校長が手拭をドテラの上から帯の様にして湯に入りに来た。

十五分もかからないで上ると私共の炬燵に入って、会津の方の女の話をした。非常な働き者で、東京の娘達の様に箸より重いものは持てない様には必してして居ないと殊更、私にあてつけでもする様な口調で云った。先生と云う臭味がこんな時プーンとする。私はだまってきいて居る。祖母はおつとめにじいっとしてきいて居るらしく時々妙な質問を出して先生をどぎまぎさせて居た。私がだまって居るので、いろいろの事に話が渡って、しまいには、女に女学校以上の学問を養わせる事や、専門的な智能を養わせる必要はない。学問などをするから男を馬鹿にしてかかるなどと云って居た。時々、私をかあっとさせる様な事を云う。まるで私とすっかり違う頭の人に自分の考えを発表した処で無意味だし、又それほど抜けても居なかったから、時々いやあな顔をしながらも一言も返さずにだまって只きいて居た。