轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
「新青年」1935(昭和10)年4月号~10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 79,469 字 · 157 页
「イヤ、悪かった。猫に干鰯でツイ卑しい根性出いたのが悪かった」
「この外道等……訳のわからん文句を云うな。ヌスット……」
「イヤ。悪かった悪かった。冗談云うて悪かった。博多の人間なら仁輪加で笑うて片付くが、他国の人なら腹の立つのも無理はない。悪かった悪かった。ウチまで来なさい。返済てやるけに。ナア。この通り謝罪云うけに……」
元来が温厚な仁三郎は、見ず知らずの箒売の前に鉢巻を取って平あやまりに謝罪った。
「貴様の家まで行く用はない。金が欲しさに云いよるのじゃないぞ。今喰うた切肉を元の通りにして返せて云いよるとぞ」
押が強くて執念深いのが箒売の特色である。その中でも特別誂えの奴と見えて、相手は二人と見ても怯まなかった。因縁を附けてイタブリにかかる気配であった。
「他国の人間と思って軽蔑するか。一人と思うて侮るか。サア鰤をば返せ。返されんチ云うなら二人とも警察まで来い。サア来い」
「まあ待ちなさい。チャンと話は附ける。ブリな事をば云いなさんな」
「又仁輪加を云う。何がブリかい。その仁輪加を警察へ来て云うて見い。サア来い」
湊屋の相棒は市場名物の短気者であった。
「ええ。