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こんどういさみとかがく
近藤勇と科学
直木 三十五
「文藝春秋増刊・オール讀物号」1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,465 字 · 28 页
土方、急ごう」
土方は、侍に
「敵兵の人勢は?」
「五千とも、七千とも申します」
土方は、近藤をみて
「菜葉隊がつづかぬから、大砲の打ち方さえ判らない上に鉄砲がこの数では、とても、太刀打できんでないか」
「又、君は、鉄砲の事をいう――急げ、とにかく、急ごう」
早馬が去ると、一行は、八王子へ急いだ。そして、八王子の有志が、出迎えていた。
「無闇に、進んだとて仕方が無い。後続部隊も来ないのに――それに、四里も差があっては――」
と、その休息の時に、意見が出たし、第一日が暮れかかってこの雪道の笹子峠を越せるもので無かった。それで、八王子へ泊った。酒と、女とが、府中と同じように出てきた。千人同心が、三四百人は、加勢するという話であった。
「勝沼で食止めて、一泡吹かしてから、甲府へ追込む事にしよう。それまでには、加勢も加わろう。今夜にも、菜葉隊は、くるかもしれぬ」
人々は、酒を飲むと、そういう風に考えた。金千代と、竜作とは昨夜の如く、流行唄を唄っていた。
五
次の日は大月で泊った。四日に、笹子の険を越えたが、眼下に展開しているのは、甲府盆地である。最初の村が、駒飼で、ここから甲府へ六里、日が暮れてしまった。