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とうめいねこ

透明猫

海野 十三

「少年読物」1948(昭和23)年6月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,223 字 · 21 页

青空文庫

なでさせるのであった。

猫はねむいところを、たくさんの人々になでられ、毛をひっぱられ、つかまれるので大むくれ。箱の中をあばれまわって、ふーっ、きゃあーっ、と、うなる。

それがまた客の人気にかなった。まだ順番のこない客たちは、箱をのぞきこんで、猫の声はすれど、その姿がさっぱり見えないのに興味をつのらせる。

これは魔術ではないかと、箱の中を隅から隅までさぐるお客も多かった。そういう人は、透明猫のために手をひっかかれたり、ごていねいに指の先をかみつかれたりして、おどろいたり、感心したりで引きさがるのであった。

初日の入場料のあがり高は、四十五万円もあって、六さんの胸算用をはるかにとびこした。

「まあ一万円とっときねえ、おれも一万円とる。これは今夜のうちに小づかいに使っちまっていいんだ。のこりの四十三万は、銀行に積立てておこう。毎日こんなにはいるんじゃあ、さつで持っていては、強盗にしてやられるからねえ。そして貯金が一千万円ぐらいになったら、ここへすごい常設館をたてて、大魔術とサーカスと透明猫と、三つをよびものにして、ここへ遊びに来る人の金をみんなさらってしまうんだ」