轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
みちづれ
道づれ
宮本 百合子
「文芸」1937(昭和12)年11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,491 字 · 41 页
当時思想的な波はひろく深く及ぼしていたが、例えば前衛の活動などについては、忍術武勇伝式の想像をもって描かれていた時期をまだ余りすぎていなかった。積極的な学生は謂わばめいめいが一生懸命になってたぐりよせた一筋二筋の糸につかまって進んで行っているのであったし、学生に対する全体としての方策については、それ自体が一足ずつ爪先さぐりに方向を見出しつつあった。一方では、どちらかというと素朴な形で、労働者でなければ人間でないように云われる風潮もあり、多くの若ものたちは未練なく学校をすてて、他の活動へ入って行っているのであった。
重吉は複雑な歴史の波を重厚に凌ごうとするように幅のある肩をうごかし、
「君の心持はわかると思うよ」
明るい外光の中で睫毛のこまやかさのはっきりわかる眼を、真直はる子の視線に向けて云った。
「その考えもわるくはないかも知れないが、もうすこし待って見ないか? いろいろ考えられているからね。学内もたしか変るよ」
「そうかしら」
「ここ一二ヵ月じゃないか」
「そう?」
傍で黙って聴いている宏子には、勿論、何がどうかわろうとしているのか推察も出来ないことであった。