轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
のざらし
野ざらし
豊島 与志雄
「中央公論」1923(大正12)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,100 字 · 39 页
」
昌作には、そんなことを何故に彼女がひた隠しにしてるのか、合点がいかなかった。然し別に尋ねてみる気も起らなかった。ただ宮原のことだけが少し気にかかった。宮原と彼女との関係をも少しはっきり知りたかった。それをどういう風に云い出したらよいか迷ってるうちに、沢子はしみじみとした調子で云い出した。
「あなた毎日何にもしないで暮してるって、本当?」
昌作はただ眉をちらと動かしただけだった。
「何にもしないで暮せるものかしら? ほんとに何にもすることがなくて、そしてほんとに何にもしないで……。」
「暮せるさ。」と昌作は突然我に返ったように饒舌り出した。
「時間なんかじきにたっちまうものだよ。朝眼がさめると、床の中で新聞をゆっくり読む――これがなかなか大変なんだ、半分眠ってて半分覚めて読むんだから、蟻の這うようなものさね。普通の者には出来ない芸当だ。それから、十時頃に起き上る。髯を剃ったり髪を解かしたりしているうちに、一時間くらいわけなくたってしまう。十一時頃、朝昼兼用の食事をして、新聞にまた隅々まで眼を通したり、ぼんやり空想に――空想という奴は、時間つぶしに一番いいんだ。