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きんぞくにんげん
金属人間
海野 十三
「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页
いそいで、それをわたしたまえ」
「なぜ、きみにわたす必要があるんですか。それがわからないと、たとえその破片が手もとにあったとしても、きみにはわたせませんね」
「そんなことは必要ない。早くわたせ」
「きみは礼儀を知りませんね。人間というものは、いやな命令をされると、ますます反抗したくなるものですよ。けっきょくきみは自分の思うとおりにならなくて、困るでしょう。そういうやりかたは、きみにとってたいへん損ですよ」
「早く破片を手にいれたいのだ。これがきみにわからんのか」
怪しい客は、いらいらしてきたらしく、大きな黒頭巾の奥で、しきりに小さな顔をふりたてている。そのとき蜂矢は、怪しい客の顔が、ほんとうの人間の顔ではなく、マネキン人形の首であることを見破った。そのマネキン人形は、かわいい少年の首であった。
人形の首が、なぜ口をきくのか。生きている人間のように、ものごとを考えたり、こっちの話を聞きわけたりするのか。とにかく、これはとんでもない怪物であることが察しられた。
「いや、ぼくは、礼儀を知らない人間とおつきあいをするのは、ごめんです。もちろん、何をおっしゃっても、ぼくは聞き入れませんよ。