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きんぞくにんげん

金属人間

海野 十三

「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页

青空文庫

しかし、ついに重大なる手がかりと思われるものは、発見されなかったのである。それなれば、これから遅ればせに、蜂矢が掘ってみたところが、何も出てくるはずがない。ところが蜂矢探偵は、あえてもう一度掘りかえす決心を立てたのだ。

かれは、博士邸のさびついた門を押して、中へはいった。

貞造じいさんに、まずことわっておく必要があると思い、かれをたずねた。

「やあ。どなたかね。わしは、このところ腰がいたくて、ずっと寝こんでいますでな。ご用があれば、こっちへずっと入ってください」

貞造は、そういって、ふとんの中から声をかけた。

そこで蜂矢は中へはいって、見舞をのべた。それからかんたんに、その後、邸内におけるかわったことはないかとたずねた。

「いやあ。さっぱりございませんな。どなたも、ずっと見えませんですよ。あまり静かで、墓地のような気がしてまいりますわい」

貞造は、そうこたえた。

蜂矢は、それからいよいよ第二研究室のあとに立った。かれは首をひねって、焼跡の四隅にあたるところをシャベルで掘った。下からは土台石らしいものが出てきた。その角のところへ、かれは竹を一本たてた。