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きんぞくにんげん
金属人間
海野 十三
「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页
そして中から出てきたものは、銀色のうつくしい金属光沢をもった箱であった。
「二重箱になっているんですね。なかなか用心ぶかい作りかただ」
蜂矢は、おどろいていった。
「なるほど。そしてこれは何かの器械らしいが、いったいなんの器械かね。なんに使う器械かね」
「さあ。待ってくださいよ」
蜂矢は、ポケットからドライバーを出して器械の裏蓋をあけた。中を見ると、ラジオ受信機に似た、こまかい部品器具が集まっており、赤や青や黄のエンパイヤ・クロスのさやをかぶった電線が、くもの巣のように配線してあった。
「電波を出す器械のようですね。いわゆる送信機の一種らしいのですが、かんじんの真空管がぬいてあるし、電波長を決定する、同調回路のところもねじ切ってあるから、はっきりわかりませんねえ」
蜂矢は、いよいよおどろきの色を見せてそういった。
「なんだって、かんじんの真空管やら、何やらがぬいてあるというのかい。誰がそんなことをしたのだろう。やっぱり、あのあやしい男のしわざか」
検事は自問自答した。
「そうでしょうね。あの怪人物は、なかなか注意ぶかくやっていますね。ただのネズミじゃありませんね」