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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

時々寒い風が来て、後から小六の坊主頭と襟の辺を襲った。そのたびに彼は吹き曝しの縁から六畳の中へ引っ込みたくなった。彼は赤い手を無言のまま働らかしながら、馬尻の中で雑巾を絞って障子の桟を拭き出した。

「寒いでしょう、御気の毒さまね。あいにく御天気が時雨れたもんだから」と御米が愛想を云って、鉄瓶の湯を注ぎ注ぎ、昨日煮た糊を溶いた。

小六は実際こんな用をするのを、内心では大いに軽蔑していた。ことに昨今自分がやむなく置かれた境遇からして、この際多少自己を侮辱しているかの観を抱いて雑巾を手にしていた。昔し叔父の家で、これと同じ事をやらせられた時は、暇潰しの慰みとして、不愉快どころかかえって面白かった記憶さえあるのに、今じゃこのくらいな仕事よりほかにする能力のないものと、強いて周囲から諦めさせられたような気がして、縁側の寒いのがなおのこと癪に触った。

それで嫂には快よい返事さえ碌にしなかった。そうして頭の中で、自分の下宿にいた法科大学生が、ちょっと散歩に出るついでに、資生堂へ寄って、三つ入りの石鹸と歯磨を買うのにさえ、五円近くの金を払う華奢を思い浮べた。するとどうしても自分一人が、こんな窮境に陥るべき理由がないように感ぜられた。