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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

十

佐伯の叔母も安之助もその後とんと宗助の宅へは見えなかった。宗助は固より麹町へ行く余暇を有たなかった。またそれだけの興味もなかった。親類とは云いながら、別々の日が二人の家を照らしていた。

ただ小六だけが時々話しに出かける様子であったが、これとても、そう繁々足を運ぶ訳でもないらしかった。それに彼は帰って来て、叔母の家の消息をほとんど御米に語らないのを常としておった。御米はこれを故意から出る小六の仕打かとも疑った。しかし自分が佐伯に対して特別の利害を感じない以上、御米は叔母の動静を耳にしない方を、かえって喜こんだ。

それでも時々は、先方の様子を、小六と兄の対話から聞き込む事もあった。一週間ほど前に、小六は兄に、安之助がまた新発明の応用に苦心している話をした。それは印気の助けを借らないで、鮮明な印刷物を拵らえるとか云う、ちょっと聞くとすこぶる重宝な器械についてであった。話題の性質から云っても、自分とは全く利害の交渉のないむずかしい事なので、御米は例の通り黙って口を出さずにいたが、宗助は男だけに幾分か好奇心が動いたと見えて、どうして印気を使わずに印刷ができるかなどと問い糺していた。