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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

声を出して洋灯の催促もしなかった。

彼が暗い所から出て、晩食の膳に着いた時は、小六も六畳から出て来て、兄の向うに坐った。御米は忙しいので、つい忘れたと云って、座敷の戸を締めに立った。宗助は弟に夕方になったら、ちと洋灯を点けるとか、戸を閉てるとかして、忙しい姉の手伝でもしたら好かろうと注意したかったが、昨今引き移ったばかりのものに、気まずい事を云うのも悪かろうと思ってやめた。

御米が座敷から帰って来るのを待って、兄弟は始めて茶碗に手を着けた。その時宗助はようやく今日役所の帰りがけに、道具屋の前で坂井に逢った事と、坂井があの大きな眼鏡を掛けている道具屋から、抱一の屏風を買ったと云う話をした。御米は、

「まあ」と云ったなり、しばらく宗助の顔を見ていた。

「じゃきっとあれよ。きっとあれに違ないわね」

小六は始めのうち何にも口を出さなかったが、だんだん兄夫婦の話を聞いているうちに、ほぼ関係が明暸になったので、

「全体いくらで売ったのです」と聞いた。御米は返事をする前にちょっと夫の顔を見た。

食事が終ると、小六はじきに六畳へ這入った。宗助はまた炬燵へ帰った。しばらくして御米も足を温めに来た。