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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

十三

医者が帰ったあとで、宗助は急に空腹になった。茶の間へ出ると、先刻掛けておいた鉄瓶がちんちん沸っていた。清を呼んで、膳を出せと命ずると、清は困った顔つきをして、まだ何の用意もできていないと答えた。なるほど晩食には少し間があった。宗助は楽々と火鉢の傍に胡坐を掻いて、大根の香の物を噛みながら湯漬を四杯ほどつづけざまに掻き込んだ。それから約三十分ほどしたら御米の眼がひとりでに覚めた。

十三

新年の頭を拵らえようという気になって、宗助は久し振に髪結床の敷居を跨いだ。暮のせいか客がだいぶ立て込んでいるので、鋏の音が二三カ所で、同時にちょきちょき鳴った。この寒さを無理に乗り越して、一日も早く春に入ろうと焦慮るような表通の活動を、宗助は今見て来たばかりなので、その鋏の音が、いかにも忙しない響となって彼の鼓膜を打った。

しばらく煖炉の傍で煙草を吹かして待っている間に、宗助は自分と関係のない大きな世間の活動に否応なしに捲き込まれて、やむを得ず年を越さなければならない人のごとくに感じた。正月を眼の前へ控えた彼は、実際これという新らしい希望もないのに、いたずらに周囲から誘われて、何だかざわざわした心持を抱いていたのである。