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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

そうして宗助の持って帰った銘仙の縞柄と地合を飽かず眺めては、安い安いと云った。銘仙は全く品の良いものであった。

「どうして、そう安く売って割に合うんでしょう」としまいに聞き出した。

「なに中へ立つ呉服屋が儲け過ぎてるのさ」と宗助はその道に明るいような事を、この一反の銘仙から推断して答えた。

夫婦の話はそれから、坂井の生活に余裕のある事と、その余裕のために、横町の道具屋などに意外な儲け方をされる代りに、時とするとこう云う織屋などから、差し向き不用のものを廉価に買っておく便宜を有している事などに移って、しまいにその家庭のいかにも陽気で、賑やかな模様に落ちて行った。宗助はその時突然語調を更えて、

「なに金があるばかりじゃない。一つは子供が多いからさ。子供さえあれば、大抵貧乏な家でも陽気になるものだ」と御米を覚した。

その云い方が、自分達の淋しい生涯を、多少自ら窘めるような苦い調子を、御米の耳に伝えたので、御米は覚えず膝の上の反物から手を放して夫の顔を見た。宗助は坂井から取って来た品が、御米の嗜好に合ったので、久しぶりに細君を喜ばせてやった自覚があるばかりだったから、別段そこには気がつかなかった。