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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

御米はまたやり損なったとは思ったが、自分の粗忽を面目ながって、宗助にはわざと何事も語らずにその場を通した。けれどもこの震動が、いつまで経っても胎児の発育にこれという影響も及ぼさず、したがって自分の身体にも少しの異状を引き起さなかった事がたしかに分った時、御米はようやく安心して、過去の失を改めて宗助の前に告げた。宗助は固より妻を咎める意もなかった。ただ、

「よく気をつけないと危ないよ」と穏やかに注意を加えて過ぎた。

とかくするうちに月が満ちた。いよいよ生れるという間際まで日が詰ったとき、宗助は役所へ出ながらも、御米の事がしきりに気にかかった。帰りにはいつも、今日はことによると留守のうちになどと案じ続けては、自分の家の格子の前に立った。そうして半ば予期している赤児の泣声が聞えないと、かえって何かの変でも起ったらしく感じて、急いで宅へ飛び込んで、自分と自分の粗忽を恥ずる事があった。

幸に御米の産気づいたのは、宗助の外に用のない夜中だったので、傍にいて世話のできると云う点から見ればはなはだ都合が好かった。産婆も緩くり間に合うし、脱脂綿その他の準備もことごとく不足なく取り揃えてあった。