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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

位牌の主は戒名を持っていた。けれども俗名は両親といえども知らなかった。宗助は最初それを茶の間の箪笥の上へ載せて、役所から帰ると絶えず線香を焚いた。その香が六畳に寝ている御米の鼻に時々通った。彼女の官能は当時それほどに鋭どくなっていたのである。しばらくしてから、宗助は何を考えたか、小さい位牌を箪笥の抽出の底へしまってしまった。そこには福岡で亡くなった小供の位牌と、東京で死んだ父の位牌が別々に綿で包んで丁寧に入れてあった。東京の家を畳むとき宗助は先祖の位牌を一つ残らず携えて、諸所を漂泊するの煩わしさに堪えなかったので、新らしい父の分だけを鞄の中に収めて、その他はことごとく寺へ預けておいたのである。

御米は宗助のするすべてを寝ながら見たり聞いたりしていた。そうして布団の上に仰向になったまま、この二つの小さい位牌を、眼に見えない因果の糸を長く引いて互に結びつけた。それからその糸をなお遠く延ばして、これは位牌にもならずに流れてしまった、始めから形のない、ぼんやりした影のような死児の上に投げかけた。御米は広島と福岡と東京に残る一つずつの記憶の底に、動かしがたい運命の厳かな支配を認めて、その厳かな支配の下に立つ、幾月日の自分を、不思議にも同じ不幸を繰り返すべく作られた母であると観じた時、時ならぬ呪詛の声を耳の傍に聞い