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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

東山の上に出る静かな月を見た。そうして京都の月は東京の月よりも丸くて大きいように感じた。町や人に厭きたときは、土曜と日曜を利用して遠い郊外に出た。宗助は至る所の大竹藪に緑の籠る深い姿を喜んだ。松の幹の染めたように赤いのが、日を照り返して幾本となく並ぶ風情を楽しんだ。ある時は大悲閣へ登って、即非の額の下に仰向きながら、谷底の流を下る櫓の音を聞いた。その音が雁の鳴声によく似ているのを二人とも面白がった。ある時は、平八茶屋まで出掛けて行って、そこに一日寝ていた。そうして不味い河魚の串に刺したのを、かみさんに焼かして酒を呑んだ。そのかみさんは、手拭を被って、紺の立付みたようなものを穿いていた。

宗助はこんな新らしい刺戟の下に、しばらくは慾求の満足を得た。けれどもひととおり古い都の臭を嗅いで歩くうちに、すべてがやがて、平板に見えだして来た。その時彼は美くしい山の色と清い水の色が、最初ほど鮮明な影を自分の頭に宿さないのを物足らず思い始めた。彼は暖かな若い血を抱いて、その熱りを冷す深い緑に逢えなくなった。そうかといって、この情熱を焚き尽すほどの烈しい活動には無論出会わなかった。