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もん
門
宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页
宗助は今に至るまでその時の父の面影を思い浮べてはすまないような気がした。
いよいよ立つと云う間際に、宗助は安井から一通の封書を受取った。開いて見ると、約束通りいっしょに帰るつもりでいたが、少し事情があって先へ立たなければならない事になったからと云う断を述べた末に、いずれ京都で緩くり会おうと書いてあった。宗助はそれを洋服の内懐に押し込んで汽車に乗った。約束の興津へ来たとき彼は一人でプラットフォームへ降りて、細長い一筋町を清見寺の方へ歩いた。夏もすでに過ぎた九月の初なので、おおかたの避暑客は早く引き上げた後だから、宿屋は比較的閑静であった。宗助は海の見える一室の中に腹這になって、安井へ送る絵端書へ二三行の文句を書いた。そのなかに、君が来ないから僕一人でここへ来たという言葉を入れた。
翌日も約束通り一人で三保と竜華寺を見物して、京都へ行ってから安井に話す材料をできるだけ拵えた。しかし天気のせいか、当にした連のないためか、海を見ても、山へ登っても、それほど面白くなかった。宿にじっとしているのは、なお退屈であった。宗助は匆々にまた宿の浴衣を脱ぎ棄てて、絞りの三尺と共に欄干に掛けて、興津を去った。