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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

向からも来なかった。家に引取った小六さえ腹の底では兄に敬意を払っていなかった。二人が東京へ出たてには、単純な小供の頭から、正直に御米を悪んでいた。御米にも宗助にもそれがよく分っていた。夫婦は日の前に笑み、月の前に考えて、静かな年を送り迎えた。今年ももう尽きる間際まで来た。

通町では暮の内から門並揃の注連飾をした。往来の左右に何十本となく並んだ、軒より高い笹が、ことごとく寒い風に吹かれて、さらさらと鳴った。宗助も二尺余りの細い松を買って、門の柱に釘付にした。それから大きな赤い橙を御供の上に載せて、床の間に据えた。床にはいかがわしい墨画の梅が、蛤の格好をした月を吐いてかかっていた。宗助にはこの変な軸の前に、橙と御供を置く意味が解らなかった。

「いったいこりゃ、どう云う了見だね」と自分で飾りつけた物を眺めながら、御米に聞いた。御米にも毎年こうする意味はとんと解らなかった。

「知らないわ。ただそうしておけばいいのよ」と云って台所へ去った。宗助は、

「こうしておいて、つまり食うためか」と首を傾けて御供の位置を直した。

伸餅は夜業に俎を茶の間まで持ち出して、みんなで切った。