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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

先刻姉さんから聞いたら、今日手紙を出して下すったそうですが」

「ああ出した。二三日中に何とか云って来るだろう。その上でまたおれが行くともどうともしようよ」

小六は兄の平気な態度を、心の中では飽足らず眺めた。しかし宗助の様子にどこと云って、他を激させるような鋭どいところも、自らを庇護うような卑しい点もないので、喰ってかかる勇気はさらに出なかった。ただ

「じゃ今日まであのままにしてあったんですか」と単に事実を確めた。

「うん、実は済まないがあのままだ。手紙も今日やっとの事で書いたくらいだ。どうも仕方がないよ。近頃神経衰弱でね」と真面目に云う。小六は苦笑した。

「もし駄目なら、僕は学校をやめて、いっそ今のうち、満洲か朝鮮へでも行こうかと思ってるんです」

「満洲か朝鮮? ひどくまた思い切ったもんだね。だって、御前先刻満洲は物騒で厭だって云ったじゃないか」

用談はこんなところに往ったり来たりして、ついに要領を得なかった。しまいに宗助が、

「まあ、好いや、そう心配しないでも、どうかなるよ。何しろ返事の来しだい、おれがすぐ知らせてやる。その上でまた相談するとしよう」と云ったので、談話に区切がついた。