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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

宗助は一番奥の方にある一脚に案内されて、これへと云われるので、踏段のようなものの上へ乗って、椅子へ腰をおろした。書生が厚い縞入の前掛で丁寧に膝から下を包んでくれた。

こう穏やかに寝かされた時、宗助は例の歯がさほど苦になるほど痛んでいないと云う事を発見した。そればかりか、肩も背も、腰の周りも、心安く落ちついて、いかにも楽に調子が取れている事に気がついた。彼はただ仰向いて天井から下っている瓦斯管を眺めた。そうしてこの構と設備では、帰りがけに思ったより高い療治代を取られるかも知れないと気遣った。

ところへ顔の割に頭の薄くなり過ぎた肥った男が出て来て、大変丁寧に挨拶をしたので、宗助は少し椅子の上で狼狽たように首を動かした。肥った男は一応容体を聞いて、口中を検査して、宗助の痛いと云う歯をちょっと揺って見たが、

「どうもこう弛みますと、とても元のように緊る訳には参りますまいと思いますが。何しろ中がエソになっておりますから」と云った。

宗助はこの宣告を淋しい秋の光のように感じた。もうそんな年なんでしょうかと聞いて見たくなったが、少しきまりが悪いので、ただ、

「じゃ癒らないんですか」