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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
在线阅读吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 页
だから、剣の悟道の話は、即、禅に通じるし、禅林の佳話は、また、そのまま剣人のそれに共通する。
日常の心的生活においても、禅は、武士の常識ですらあった。まして、剣への直観を研こう者には当然その第一門を禅に叩くことになる。
沢庵が柳生宗矩のために書き与えたという「太阿記」や「不動智」の内容を見ても、また、古来の剣人の筆になる伝書や幾多の著書を見ても、その殆どが、心剣一如の真理の探求に一致し、その心態は、そのまま禅の相であるし、その用語や導入の方法も禅家の味境と合致したものである。
象の上に現わされた武蔵の剣を把った動的な事蹟の裏には、また、彼が禅に沈潜した瞑想の静的な生活がいかに長い期間にあったかを思わねばならない。
遺墨として、今日伝来されている武蔵の画に「祖師像」の図が多いのを見ても、禅と彼との心契がわかるし、また殊に、晩年千葉城址から熊本郊外の霊巌洞へよく通って坐禅していたことなど思い合せれば、その生涯を通じて、彼の鍛錬も、彼の閑雅も、また剣を抜いて生死を一過し去る日の彼も、動静両面、禅より入って禅に脱しているといっても決して過言ではないであろう。