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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
在线阅读吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 页
出雲守参る
武蔵の眼力に狂いはなく、少年の武芸学問は衆を超えて進み、後、宮本造酒之助と名乗って姫路の城主本多中務大輔に仕官し、重く用いられるに至った。
その後、造酒之助は故あって、主家より暇を賜わり、江戸に出ていたが、中務大輔逝去の趣を伝え聞くや、大坂に在った武蔵を訪うて私に永別の盃を汲み、姫路に下って追腹を切って果てたのである。
なお、この時、武蔵は必ず造酒之助が暇乞いに来たるべきことを信じて、
「造酒之助来らば、今生の思い出に、十二分に馳走して遣わそう」
と側近に洩らしていたという。
出雲守参る
武蔵はかつて、雲州松平家で家士と試合をしたことがあるが、八尺余の八角棒を持った強力の者が、書院の階段を下りる武蔵を待ち受けて、一気に薙ぎ倒そうとした。
武蔵は、階段の二段目辺りより木刀を中段に構え、鼻先めがけて、ぐっと切先を突き出したので、のけぞった家士が慌てて体勢を整えようとする隙に、難なく打ち倒してしまった。
松平出雲守は、家士の余りの脆さに心外の色を現わし、老臣の制止を斥けて、
「予自ら相手を致す」
と、袴の股立を取って立ち上がった。
武蔵は、
「兵法の合点は、自ら試みられることこそ第一なれば、遠慮なくお相手を仕ります」