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ゆきのふったひ

雪の降った日

小川 未明

「お話の木」1938(昭和13)年2月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,110 字 · 11 页

青空文庫

」と、思いました。女中のきよは、母親が病気で田舎へ帰ったのです。

「お母さん、きよは、いつくるの?」

「母親がよくならなければわかりませんね。あの子も、かわいそうです。いろいろ心配して。」と、お母さんは、おっしゃいました。

このあいだは、弟に、送ってやる為替を手紙といっしょに落としたのです。その後、母親が病気という知らせがきたので、きよは、驚いて田舎へたったのでした。

しかし、こちらへきてから二年の間に、自分の力でこしらえた着物や、羽織をきて、きちんとして帰っていくときのようすは、はじめて田舎から、行李を負ってきたときの姿とは、まったく別人のようでありましたので、

「どこのお嬢さんかと思われますよ。」と、お母さんが、からかいなさると、きよは、さすがに顔を赤くしましたが、それでも、うれしそうでありました。

「お母さん、おめかしをしては、いけませんねえ。」と、そのとき、年ちゃんは、いったのです。すると、お母さんは、

「いいえ、きよは、よく勤めて、お父さんにも、お金を送っていますし、なかなか感心な子ですよ。自分の力でみなりをつくることは、わるいことではありません。