轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ゆき
雪
楠田 匡介
「探偵新聞」1948(昭和23)年5月5日号、5月15日号、5月25日号、6月5日号、6月15日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,792 字 · 50 页
と訳をつけています。こんな人には金よりも、宝石よりも、本が大きな魅力なのです。古今東西に、幾多の犯罪が、殺人までが、それのために、なされて来たのです。被害者の早川がマニアの所に持って来て、山村もまた輪をかけたマニアです。そこにこの悲劇の出発点があったのです。恐ろしいものは、軌道を外した、マニアまで行った人達の心情です。
最後にあのデレッキに指紋のなかった事です。僕ははじめ、犯人は手袋をしてたと思っていたのですが、あれは前から用意された殺人ではなくとっさの兇行です。偶然手袋を、持っていたとすれば、洋服の男だと推定しました。それは手袋というものは、外套か、でなければ、服のポケットに、入れておくのが普通だからです。洋服の男、それは伊東だけでした。だが彼の手袋は真新しいもので、そこには何んの痕跡もありませんでした。まさか犯人は、特別に何か布を用意したのでもないでしょう。
さすがは、山村は僧侶だけあって、あの長い衣のソデで包んで、一撃しているのです。それが忍従の僧侶であるだけ、私の断定に違った一つの盲点だったのです。
雪の夜からはじまって、雪でこの事件も、終りました。