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うんなんしゅびへい

雲南守備兵

木村 荘十

「新青年」1941(昭和16)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,859 字 · 76 页

青空文庫

暗灰色の空に突きたっている山岳の斜面へ、傷痕のようにつけた赤黒い鉱山道で蠢いていたのは、荷をつけた駄馬と小さな人間の行列だった。

駄馬は大きな袋を背に縛りつけられ、その重さによろめいている。

孫伍長は、その行列とすれ違って、身震いした。

駄馬は、鼻先から脚の先まで赤かった。鉱石を入れたらしいズックの袋も赤い。疲れて息を切らしながら、やっと歩いている十からせいぜい十五まで位の子供達も、頭から血が噴いているように赤かった。

駄馬の袋や、子供達のぼろぼろの頭巾や、肩から腰まで垂れたぼろ布には、鉱石の赤い埃が一杯かぶさっているのだ。

「おい、守備兵は何処にいる?」

「あの丘のような石小屋です」

背後を鞭で示した子供の眼は、妙にギラギラ光りひどく痩せている癖に咽喉がむくんで腫れていた。

“あの副官の野郎、おやじをどえらい所へ寄越しやがった。なにが吉報なのだ”

孫伍長はペッと唾を吐いた。が、彼は子供の時から、騙されるのと殴られるのには慣れていた。性格でもあろうが、殴られる度にむきになって、どうやら伍長まで漕ぎつけて来たのだ。

「元気がないぞッ。こんな山ン中の獣になめられるな!」