轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うんなんしゅびへい

雲南守備兵

木村 荘十

「新青年」1941(昭和16)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,859 字 · 76 页

青空文庫

生きた死骸

犬はつないであったのだが、彼は滅茶滅茶に拳銃でもぶッ放したい気持だった。

“鉱山の経理が云ったことは本当だ”

あの雲南府の官署で、荷物を持って行った副官の妙な態度も、左遷だと思ったのが、大佐にとってはなるほど吉報だった訳も初めて分ったのだ。

彼は、銃を担った右の肩が、ちょいとあがっているのと同じように永い間の習慣で沈大佐に威圧され、何も云うことが出来ずに金を受取ってしまった自分が悲しかった。

“吾々だけが頑張ったって、どうなるものか……沈大佐はそう云ったが、それでは両親に別れ、妻や兄弟に別れて、故郷を何百里も離れ、物凄い戦に斃れた兵隊はどうして浮ばれるんだ”

孫軍曹は大佐の邸を出ると、悄然としてあてもなく街の方へ下りて行った。

生きた死骸

“俺は一体どうすればいいのだ”

彼は独り悶え苦しみながら街を歩いていた。

雲南府に使して以来、彼の見聞した人生は、あまりにも広く複雑であり、予想外で、彼の知識では、自分達の廻りに色々な不正があることは感じられても、一体何が世の中をこんなことにしているのか掴みようもなかった。

しかし、何れにしても、彼が教えられ、且つ信じていた、上官に忠実であることが国家に忠誠を尽すことであり、国家に忠誠を尽すことが身を立てることであるという信念は、全くぐらついてしまったのである。