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うんなんしゅびへい
雲南守備兵
木村 荘十
「新青年」1941(昭和16)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,859 字 · 76 页
坑道の底
そして、勤務に精通した下士一人に、兵二人を残して、箇旧の守備隊に復帰すべく、鉱山を下りて行った。
孫伍長が、僅かな兵で、不穏な鉱区の守備兵と難なく交替したことは忽ち鉱区の評判になった。殊に、暴れ者で、代々の守備隊長を手古摺らせていた黄中尉を、伍長の彼が、まるで犬かなんぞのように射殺したという話は、孫伍長を有名にすると同時に、新任の隊長を恐れさせた。
沈大佐は、その効果の消えないうちに、各鉱区へ腹心の部下を配して着々と勢力を固めた。
「一体、孫伍長の始末はどうなるんだ。何と云ったって相手は上官だぜ」
守備兵達は折に触れては話題にした。が、中尉は、戦時何とか令によって反乱者とされ、孫伍長は軍曹に進級して、前任守備隊長と深い関係のあった鉱山だと噂されている箇旧でも有数な鉱山の守備を命じられた。
坑道の底
朝から晴渡った日だったが、孫軍曹は、憂欝な顔をして、長剣を靴の踵で蹴りながら、鉱区を見廻っていた。
彼は、新しい襟章も、佩剣も、一向嬉しくないのである。
考えれば分らないこと許りである。
“第一線から、こんな所へ左遷されて、守備隊長は何だっていい気になっているんだろう。