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うんなんしゅびへい
雲南守備兵
木村 荘十
「新青年」1941(昭和16)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,859 字 · 76 页
それからまた、その鉱石を日の暮れるまで運ぶのである。
「これで逃げようとしなければ死にかかっているんだ」
孫軍曹は吐き出すように云った。
しかし、少年達は、雲南省、貴州省、其の他から、どんどん新規募集され、雇主の代理人に、前借の中から高い口銭を引かれながら、後から後から連れて来られるのだ。
それは雲南の都会で、娘の子が奴隷に買われるのと、形式こそ違うが同じ奴隷である。
数人の少年達は、小屋の中に転がっていた。殴ろうがどうしようが起きられない病人である。彼等の二割は何時でも病気だ。しかも坑内でも小屋でも密集しているので伝染病の蔓延は早く、鉱山の一般死亡率は三割と云われていた。
彼等はコレラや肺炎の予防に、龍や虎や、猛獣の形に彫った樟脳の塊りを、血の出るほど高い金で買わされて、街の人達の様にそれを鼻にあてて安心するのだが、十万人のうち二万の男と、一万人の児童が毎年墓場もなく、何処かへ消えてしまうのである。
坑口の入口には武装した衛兵が居て、守備隊長と御一緒の時以外はと、入坑を断ろうとした。
これは軍隊とは別の鉱山主の私兵なので、軍隊は鉱区全体を守備監督し、彼等は鉱山主の私財、奴隷を守っているのである。