轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あおだけ
青竹
山本 周五郎
「ますらお」大陸講談社、1942(昭和17)年9月
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 14,622 字 · 29 页
源七郎はぎりぎりに追いつめられた、それでしかたなしに云いたくないことを云わなければならなかった、「申しにくいことではございますが、こなた様は千石のご老臣、わたくしは三百石の若ぎみお守役でございます、上役より妻を娶りましては、ゆくすえ女房のゆかりで出世をしたなどと申され兼ねません、さればこなた様にかぎらず、おのれより身分たかき家からは娶らぬ覚悟でございます」
きっぱりと心きまった言葉だった、兵庫は落胆のさまを隠そうともせず、力のぬけたような調子で、「そうか、うん、そうか」とうなずくばかりだった。
竹岡からはなしのあったのがきっかけのように、諸方から俄かに縁談が持ちこまれだした。身分のたかい家ばかりではなく、同格より下からも、才媛のきこえの高いものをすすめてきた、けれどもなにゆえか源七郎はうんと云わなかった。「じつはさる方からいちど縁談があり、わたくしの勝手からおことわり申しました、その方への義理として、当分は妻を娶る考えはございませんから」どんな縁談にもそう答えるだけで、どうすすめてもはなしは纏まらなかった、それでついには世話をしようというものもなくなり、独身のまま月日が経っていった。