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おんぱのさつじん

音波の殺人

野村 胡堂

「新青年」1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,399 字 · 30 页

青空文庫

岡崎と鳥子の言い分

事で容疑者にするわけには行くまい」

「だが、新聞種には面白いな」

「その新聞に出したものか何うか考えて居るよ、長い間若菜を憎み通していたから、発作的に気が変になって、身に覚の無い事を名乗って出たんじゃあるまいか、そうだとしたら、気の毒だね」

「博士は本当に昨夜研究室を出なかったのかい」

「それは間違いの無いことだ、音響殺人が不可能なよりも、博士が研究室を脱出す方が不可能だ」

研究室内の明るさ、窓の高さ、絶えず操作を要する機械――等のことを考えると、あの部屋を脱出すことは、どう考えてもあり得ないことです。

「夕刊が済んだら、もう一度行って見よう」

「そうしようか」

二人は長大な原稿に取りかかりました。

岡崎と鳥子の言い分

代官山の若菜の家には、遠い親類や、楽壇の知友達が入れ代わり立ち代り来ましたが、日頃良い付き合をしていなかったのと、「変死」ということが頭にこびり付いて居るので、皆んな言い合せたようにさっさと引揚げ、結局、掛り合いになった藤井薫と、岡崎敬之助と、レコード会社の二三人が、何から何まで世話をしなければなりませんでした。

千種十次郎と早坂勇は、大勢の新聞記者達と一緒に、手伝うような、邪魔をするような、不得要領な動き方をして、鵜の目鷹の目で「種」