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かぜとき からすときつね
風と木 からすときつね
小川 未明
「赤い鳥」1927(昭和2)年4月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,452 字 · 7 页
からすときつね
私は、あなたが去られると、この野原の女王になります。そして、私が、一声かけさえすれば、あのおじいさんのような、無骨な枯れ木までが花を咲くのですよ……。」といったことを、北風は思い出した。それで、北風は、木の枝をさげすむように笑ったのでした。そして、北風は、うぐいすのいったことを、木の枝に語ったのです。
木の枝は、うぐいすが、だれに対しても、いいかげんなことをいうので、びっくりしました。
「そんなことをいいましたか? 私をおじいさんのような無骨者だと……、そして、自分を、野原の女王だと……。」
木の枝は、そんなら、自分は、じっと寒い風をも我慢をして、いつまでも花を咲かずにおいてやろうと思いました。そうしたら、どんなにこの野原は寂しいかしれない。いつまでたったって、春がこないにちがいない。そうしたら、うそつきのうぐいすはどうするつもりだろう……。
「北風さん、私は、我慢をします。どうぞ、もっともっと強く吹いて、雪を盛んに降らしてください。」といいました。
北風は、それから、しきりに募りはじめました。
からすときつね
からすが、どこからか飛んできて、この木の枝に止まって、まっ白に、雪のつもった、野原をながめていました。