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ふうぼう
風貌
小山 清
――太宰治のこと
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,448 字 · 32 页
それでも私は心配にならないことはなかったが、遠く離れ過ぎていて、飛んでいくというわけにも行かなかった。私は「塚より」も「病気」も「半死半生」も、それを文字どおりに取らなかった。割引して軽く考えていた。いまにして思えば、太宰さんとしては、相当弱音を吐いていたわけなのである。青年の手紙には、太宰さんが私の病気を心配していると書いてあった。電文の「ヤマイ」を心に懸けていてくれたものと見える。その後の「喀血」も文字どおりに取ったようである。二度目の葉書には「恢復を祈っている」と書いてあった。
太宰さんの許にある私の原稿がまた一つ売れて、私は編集者から手紙をもらった。二十三年の五月の中頃であった。その頃私はどうやら一息ついていた。私はその三月から、坑内に新設された道具番に職を得て、働きに出ていた。労働をする仕事ではないので、私にもやれたのである。この分ならばもう一、二年は頑張れると思い、そのつもりになっていた。私はあんな僻地にまで行って、一年を有耶無耶のうちに過ごしてしまったが、それでも新しく出直したいと思っていた。私はその便りを太宰さんにしようと思いながら、筆不精からつい億劫にしていた。