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しょくりょうめいい
食料名彙
柳田 国男
「民間傳承八卷二號~八號」1942(昭和17)年6月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,898 字 · 61 页
コウシキ
ヤラフ
ハマチャ
モクダ
コウシキ 中国地方の山の村で、子供が秋の山に入って採る樹の実もいろいろあるが、その中で色が赤く肉が柔かで、低い灌木になるコウシキというなどは忘れがたい。今から考えてみると形がやや甑と似ている。甑はもう使用する人がないから、いたって古い命名であることがわかる。
ヤラフ 蘇銕の実である。これは今でも穀食を補っている。沖永良部島などの味噌は、もっぱらヤラフを用い、この実の取れる十月前後に、味噌を搗くことになっている(シマの生活誌)。また粉にして貯えて凶作の備えともする。
ハマチャ 島根県一帯に知られている茶の代用品で、クサネムというものだといい(出雲方言)、あるいはカワラケツメイのことともいう。石見三瓶山の裾野の産がよく知られている(郷土研究一巻三号)。郡によってはコーカ茶といい、またカーカ茶ともいう。コーカまたはカーカは多分中国各地のコウゲも同じで、草原のことであり、東北でいうカヌカまたはカッカとともに古語の残りと解せられる。すなわちそういう土地に野生する茶の代用品で、茶に伴のうてその利用が始まったのである。
モクダ 青森県津軽の農村には、こういう名の茶代用品が元はあった。