轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えきふにっき

駅夫日記

白柳 秀湖

「新小説」1907(明治40)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,989 字 · 69 页

青空文庫

けれどもこの人の欠点をいえばあまり画才に依頼しすぎて技術の修練をおろそかにするところにある。近ごろ大槻はある連中とともに日比谷公園の表門に新設される血なまぐさいパノラマを描いたとかいうので朋友の間には、早くもこの人の前途に失望して、やがては、女のあさましい心を惹くために、呉服屋の看板でも描くだろうというような蔭口をきく者もあるそうである。

岡田はしばらくするうちに、停車場の方に呼ばれて行く、大槻軍医も辞し去ってしもうた。後で駅長の細君は語を尽して私を慰めてくれた。細君というのは年ごろ三十五六歳、美人というほどではないけれども丸顔の、何となく人好きのするというたような質である。

「下宿にいちゃあ何かと困るでしょう、どうせ一週間ばかりなら宅にいて養生してもいいでしょう、ね、宅でも大変お前さんに見込みをつけていろいろお国の事情なんかも聞いて見たいなんて言うていましたよ」

「え、ありがとう、しかしこの分じゃあ大した傷でもないようですから、それにも及びますまい、奥様にお世話になるようではかえって恐れ入りますから」

「何もお前さん、そんな遠慮には及ばないよ、ちっとも構やあしないんだから気楽にしておいでなさいよ」