轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こうげん
高原
木暮 理太郎
「山」1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,921 字 · 10 页
しかし私の好みからいえば、少くとも最低千米以下であってはならないように想う。高ければ高い程よい。千米以下では、平野に生ずる植物、特にそれが景観の上から見て大切である二、三の黒木、たとえば杉や赤松などが植林されたり侵入したりして、丘陵や岡阜と択ぶ所がなくなる虞がある。杉は主として移植されるものであるから別とし、赤松は平地に在りて風景上の一大要素であるが、これが原上に挺立していることは、たとえ如何に豪健雄大な景趣であるにしても、高原に生えることだけは遠慮してもらいたい気がする。私は精進湖畔の赤松林を見る度に、これがせめて樅ででもあってくれたならばと思わぬことはない。私が富士北側の裾野に高原としての不満を感ずるのはこの為である。前に述べた八ヶ岳の念場ヶ原や野辺山原などは、千米を遥に超えているにも拘らず、尚お所々に赤松が見られるのは私としては甚だ遺憾である。勿論緯度の高低に因って、其土地の樹種は異なるであろうが、やはり同様のことがいえるのではなかろうかと思う。斯様な考は、畢竟私が山にのみ拘泥していて、高原を考えるにも山から離れて観察することを知らないからだと非難されても一言もない。