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まぞう
魔像
林 不忘
新版大岡政談
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 131,494 字 · 260 页
「何でも、ひょっとこんな事を聞きこんだが……この事件に関して、例の大岡殿も動きかけておるとか――」
「大岡と申すと、あの、南の大岡か。きゃつがまた、何しに出しゃ張って来るのだ?」
「わッハッハ! 自分さえ出れば、万事解決すると思っておるのが、あの人の病なのじゃ。己惚病というやつである」
「全くもって笑止千万、大岡様などは狐鼠泥相手に威張っておればよいのだ。喬之助は、飽くまでもこっちの手で片づける! なあ、各々方」
「言うにや及ぶ、大岡は大岡、吾れわれは吾れわれ、ま、ここだけの話じゃが、拙者は、あの大岡殿の利才ぶった様子が、日頃から気に食わぬのじゃ。何かというと王道の政、大義名文、ウフ、アハハハハ、脇坂様なぞ、大岡殿を毛虫の如く厭がっておらるる」
「ところで、それはそうとして、今日お集り願った目的であるところの喬之助討ち取りの方策じゃが――」
「ナニ、面倒なことはない。おれの前へ引っ張って来い!」
「黙られい! 徒らに大言壮語――オッ、そういうお手前は、笠間氏じゃな、うわさによると、お手前は鎧兜を着して寝に就かれるということじゃが」
わいわい、がやがや、大変な騒ぎのところへ、真ッ蒼な顔をした長岡頼母が、ヒョロヒョロしてはいって来たから、一同はそっちを見て、合唱のように、「おい、長岡、どうした?」