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ぎょげんき
魚玄機
「中央公論」1915(大正4)年7月
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 9,866 字 · 20 页
温言を以て緑翹を賺す陳の声が歴々として耳に響くようにも思われて来る。
そこへ緑翹が燈に火を点じて持って来た。何気なく見える女の顔を、玄機は甚だしく陰険なように看取した。玄機は突然起って扉に鎖を下した。そして震う声で詰問しはじめた。女はただ「存じません、存じません」と云った。玄機にはそれが甚しく狡獪なように感ぜられた。玄機は床の上に跪いている女を押し倒した。女は懾れて目をっている。「なぜ白状しないか」と叫んで玄機は女の吭を扼した。女はただ手足をもがいている。玄機が手を放して見ると、女は死んでいた。
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玄機の緑翹を殺したことは、やや久しく発覚せずにいた。殺した翌日陳の来た時には、玄機は陳が緑翹の事を問うだろうと予期していた。しかし陳は問わなかった。玄機がとうとう「あの緑翹がゆうべからいなくなりましたが」と云って陳の顔色を覗うと、陳は「そうかい」と云っただけで、別に意に介せぬらしく見えた。玄機は前夜のうちに観の背後に土を取った穴のある処へ、緑翹の屍を抱いて往って、穴の中へ推し墜して、上から土を掛けて置いたのである。