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かまをきずいてしりえたこと

魯山人陶説

北大路 魯山人

北大路魯山人『魯山人陶説』。同一底本的分册已合并为一书。收入:窯を築いて知り得たこと、瀬戸・美濃瀬戸発掘雑感、魂を刳る美、陶芸家を志す者のために、なぜ作陶を志したか、日本のやきもの、私の作陶体験は先人をかく観る、私の陶器製作について、愛陶語録、河井寛次郎近作展の感想、河井寛次郎氏の個展を観る、陶器個展に観る各作家の味、掘出しは病気の元。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 46,780 字 · 98 页

青空文庫

だがなかなか無我の境地にはなれない。それには修行が必要だ。多くは虚栄心に動かされて仕事をする。これではいいものが出来るわけがない。信仰の的となる仏画は、これ最初、無落款であった。のちに落款を入れるようになった。

こうなると信仰的崇高さは失われて玩具的になる。自分が口を極めて言うことは、とかく世間とは反対になる。美術界には掘り出しということがある。これも計らざる掘り出しをしてもらいたいものだ。掘り出しをやる人には、美が見えなくて金高が見えることが多い。それではいかぬ。

また、いいものばかりある店で、その中からいいものを求めることは容易である。安物の中から更に値切って求めるような行き方をする人の根性は、汚なくて、いいものは集まらない。

鍋島、柿右衛門には工芸美術的なよさはあるが、精神力には欠けている。そこへ行くと古九谷には道楽気があって、芸術味が含まれている。無我夢中になってやった仕事には魂が入っている。古九谷と鍋島には町人と武士の違いがある。町人の道楽には案外面白いところがある。

要するに魂を刳る美が欲しい、ということである。(昭和二十二年)