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かまをきずいてしりえたこと

魯山人陶説

北大路 魯山人

北大路魯山人『魯山人陶説』。同一底本的分册已合并为一书。收入:窯を築いて知り得たこと、瀬戸・美濃瀬戸発掘雑感、魂を刳る美、陶芸家を志す者のために、なぜ作陶を志したか、日本のやきもの、私の作陶体験は先人をかく観る、私の陶器製作について、愛陶語録、河井寛次郎近作展の感想、河井寛次郎氏の個展を観る、陶器個展に観る各作家の味、掘出しは病気の元。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 46,780 字 · 98 页

青空文庫

なぜ作陶を志したか

なぜあなたは陶器を作るようになったか、とよく人から訊ねられるが、自分は言下に、それは自分の有する食道楽からそもそもが起こっていると答える。自分は幼年の頃から食味に趣味を持ち、年と共にいよいよこれが興趣は高じて、遂に美食そのものだけでは満足出来なくなってきた。

おいしい食物はそれにふさわしい美しさのある食器を欲求し、それに盛らなくては不足を訴えることになる。ここに於て自分は陶磁器及び漆器、即ち食物の器を自然と注意深く吟味するようになった。そんな生活を続ける中に図らずも自分が美食倶楽部の一員となった。それは大正九年のころだったと思う。その経営に当って、当然的に食器の問題にぶつかったが、何としても現代作られているものでは意を満たせなかった。そこでこれを古品に求め、古瀬戸、古赤絵、オランダというふうに、茶碗、皿、鉢等を選び、日常の食器として用を弁ずることとした。かくして三年間、幸いにも非常な好評のもとに経営を持続しているうちに、大震災に遭遇して美食倶楽部も灰燼に帰し、当時所用の古陶器類その他一切を喪失してしまった。

しかし、続いて星岡茶寮を経営することとなり、舞台は更に大きく展開し、時には百人前を越える器物一切を必要とするようになった。