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かまをきずいてしりえたこと

魯山人陶説

北大路 魯山人

北大路魯山人『魯山人陶説』。同一底本的分册已合并为一书。收入:窯を築いて知り得たこと、瀬戸・美濃瀬戸発掘雑感、魂を刳る美、陶芸家を志す者のために、なぜ作陶を志したか、日本のやきもの、私の作陶体験は先人をかく観る、私の陶器製作について、愛陶語録、河井寛次郎近作展の感想、河井寛次郎氏の個展を観る、陶器個展に観る各作家の味、掘出しは病気の元。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 46,780 字 · 98 页

青空文庫

その作為が何を物語っているかが問題であります。ただいい作為と悪い作為と二種ありますから、いい作為をもっておるものが名作となる、こういうことだと私は信じておるのです。そういう意味での長次郎の茶碗は、難癖をつけるところが先ずないのです。しかし、室町とか桃山とかいう時代のよさで、豊かな相をもっています。時代というものは、先に行けば先に行くほどよくなって来ています。これも限度がありますが、美術は五百年先よりも千年先にいいものがたくさん出来ていますし、千年先よりも二千年先に行くと貫禄のあるものとか、素晴らしく美しいものがたくさん出来ておる。要するに美しさというものは、遠くへ遡って行かないと調子の高いものはないわけです。そういう点で個人作家として、長次郎というのは第一番のものであると私は思うのです。

もう一つ申しますと、茶碗というものは、ただあれだけの細工物ですから、ほかの絵や染色や蒔絵とかいうような複雑な手数も研究もいらないのです。たったこれだけの(手で茶碗の恰好)簡単なものを拵えて、それに精神と高い趣味を詰めこむことが出来ましたらいいのです。絵だったらそうは行きません。