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かまをきずいてしりえたこと
魯山人陶説
北大路 魯山人
北大路魯山人『魯山人陶説』。同一底本的分册已合并为一书。收入:窯を築いて知り得たこと、瀬戸・美濃瀬戸発掘雑感、魂を刳る美、陶芸家を志す者のために、なぜ作陶を志したか、日本のやきもの、私の作陶体験は先人をかく観る、私の陶器製作について、愛陶語録、河井寛次郎近作展の感想、河井寛次郎氏の個展を観る、陶器個展に観る各作家の味、掘出しは病気の元。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 46,780 字 · 98 页
しかし、長次郎のような格高い貫禄、重みのあるものではありません。桃山時代というものは、何でもふくよかな時代ですから、大きさがいかにもおおらかな、ああいう茶碗が出来たのでしょう。ことにその先代に長次郎というのがいるのですから、あとの仕事は楽です。
その次がのんこうとか光悦になるのですが、光悦というのは素晴らしく器用な風雅趣味の広い点で、群を抜いています。あの人にありそうで伝わっていないのは、食道楽ですが、食道楽がきっとあったに違いないと思うのです。あれだけ多趣味であっては、うまいもの食いでなければ恰好がつかぬのですが、それは聞いておりません。従ってあるいは食道楽でなかったかも知れないという見方も出来るのですが、彼のつくったのは茶碗ばかりで食器がない。食い道楽だと食器をつくりたくなるのです。ものをうまく食うには、いい容れ物に入れなければ気の済まぬものなのです。お茶だって名碗の中で茶を点てて飲んでこそ、まるきり目のない人では駄目ですが、長所のわかる人ならば、芸術価値ある容れ物のために茶は尋常の茶ではないようにありがたくなってしまう。今茶道が流行しているのはその魅力を狙ってのことだと思うのです。