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あゆのししょくじだい
鮎の試食時代
北大路 魯山人
「星岡」1935(昭和10)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,210 字 · 3 页
ところが、三十歳くらいのころ、京都に帰省した時、ようやく宿願を達成することができた。あゆを食うくらいはなんとか都合がついたからであり、かつまた、内貴清兵衛という先輩のご馳走もたびたびあって、何十回となく各所を食い歩くことができたおかげであった。時には一日に二度も三度も吟味してみた。
京都では、宇治の菊屋とか、山端の平八とか、嵯峨の三軒茶屋など、あゆを生かしておいて食わせる店が諸所にあった。そうしたところを片っ端から食い歩いて、どうやらあゆの味が心底から舌に乗ってきた。