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あへんをのむびしょうねん

鴉片を喫む美少年

国枝 史郎

「オール読物」1931(昭和6)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,061 字 · 21 页

青空文庫

そう云った少年の声の美しさ、そう云った少年の声の優しさ、又もや僕は恍惚としてしまった。

僕はそれからその少年のために、鴉片を煉りながら話しかけた。

3

「これ迄喫ったことはないのですか?」

「鴉片を喫うのは今日がはじめてです」

「なるほどそれでは煉れないはずだ。……がそれなら鴉片なんか喫わない方がいいのですがね」

「こんな大戦争を起こす程にも、みんな喫いたがる鴉片なのですから、私も喫いたいと思いましてね」

「そう、誰もがそう云ったような、誘惑を感じて喫いはじめ、喫ってその味を知ったが最後、みすみす廃人となるのを承知で、死ぬまで喫うのが鴉片ですよ。……全く御国の人達と来ては、鴉片中毒患者ばかりです」

「御国の人? 御国の人ですって? ……では貴郎は外人なのですか?」

(しまった!)と僕は思ったよ。

とうとう化けの皮を現わしてしまった。

友よ! 僕はね、八年もの間、この支那の国に住んでいるので、言葉も風俗も何も彼も、すっかり支那人になりきることが出来、誰にも滅多に疑われなかったのに、自分からこの日は底を割ってしまい「お国の人」なんて云ってしまったのさ。

これには自分ながら愛想を尽かしたが、たとい身分を宣ったところで、害になることもなかったので、