轻松读懂日语经典作品
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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页
「何でもないよ……ねえ柳、ぼくはおまえにききたいことがあるんだが」
「なんだ」
「一年のとき、重盛の諫言を読んだね」
「ああ、忠孝両道のところだろう」
「うん、君に忠ならんとすれば親に孝ならず、重盛はかわいそうだね」
「ああ」
「清盛は悪いやつだね」
「ああ」
「重盛がいくらいさめても清盛が改心しなかったのだね」
「ああ」
「それで重盛はどうしたろう」
「熊野の神様に死を祈ったじゃないか」
「そうだ、死を祈った、なぜ死のうとしたんだろう」
「忠孝両道をまっとうできないからさ」
「困ったから死のうというんだね」
「ああ」
「ではおまえ」
阪井の語気はあらかった。
「困るときに死んでしまえばいいのかえ」
「それが問題だよ」
「なにが?」
「自分だけ楽をすればあとはどうなってもかまわないというのは卑怯だからね」
「じゃ重盛は卑怯かえ」
「理論からいうと、そうなるよ、しかし重盛だってよくよく考えたろうと思うよ」
「そうかね」
阪井は長大息をした。かれはだまって歩きつづけた。そうしてやがてしずかにいった。
「清盛が改心するまで重盛が生きていなければならなかったね」
「さあぼくにはわからないが」
「ぼくにはわかってるよ、わかってるとも、そうでなかったら無責任だ」