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あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいじっかん)
あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)
宮本 百合子
「宮本百合子選集 第十巻」安芸書房、1949(昭和24)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,796 字 · 18 页
第三回大会報告となっている。中央公論の編輯者ばかりでなく、多くの人が、その素朴さにおどろいた。わたしはそんなに人におどろかれるわたしの素朴さというものがわからなかった。そんなユーモラスな一つの記録も、こんにちよめば、制服の警官が臨監して、中止! 中止! と叫ぶ場内の光景はいきいきと目にうかんで来る。われわれの文学史の、これが生きた一頁であった。
「一連の非プロレタリア的作品」という論文は当時やかましく論議されたものである。わたしという一人の作家にふれる場合、見のがすことのできない母斑のようにあつかわれても来ている。民主主義文学運動がはじまってから蔵原惟人、小林多喜二、宮本顕治にふれて、当時の検事局的に歪曲された「政治的偏向」批判をそのままくりかえし、これらの人々の活動の積極面――プロレタリア文学運動の成果の抹殺が試みられた。それは、客観的には、非民主的諸勢力への加担を結果することである。「一連の非プロレタリア的作品」を思い出させることで、わたしの現在での活動や発言を牽制する効果を期待するとすれば、それは不可能である。
あの評論にふくまれている誤謬は、プロレタリア文学の戦線拡大に対する政治的態度の未熟さと、そこからひきおこされた文学に対するピューリタニックな熱情の噴出にあったのだった。