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あめんちあ

あめんちあ

富ノ沢 麟太郎

「改造」1911(明治44)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 41,594 字 · 83 页

青空文庫

」彼は自分の胸のなかでのみ怒鳴るようにぶつぶつ言いつづけた。

「それでいておれの熱情は恐怖とともに満月のように輝いてきたが、その火花は見るかげもなく、何ものかに蔽い隠されるように吹き消されてしまった。

そしてそれは定められた一点に発した一直線か一曲線かのように、何処へか見当のつかないところへ逃走してしまった。

ちょうどそれは、神様でも探すかのように、忍び足をしながら、何処かの廊下でも歩き廻っていることだろう。

そしてそれは禁断の扉でも敲くかのように、一つの秘密の跡を逐い廻していることであろう。

若しかしたら、その秘密は、おれの嫉妬であるかも知れない。

それにしてもおれなどには、最早嫉妬の感情などを持つだけの資格はない。

おれはそれほどの罰あたりであるかも知れない。

しかしおれは未だに過去の忘却の饗宴の席へつれられてはいないのかも知れない。

何故なら、このおれの執拗な抵抗を見てみろ!」と、彼は誰へ言うともなく呟いてから、彼自身を顧みて、この言葉が自分の気持の上だけのものであることを恥て怕れながらも、優しく続けるのであった。

「おれは真実悲観はしていたろう。

そして無限に欠伸をするほど草臥れてしまった。