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うずめられたかがみ
うずめられた鏡
小川 未明
「女学生の友」1953(昭和28)年8月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,962 字 · 12 页
と、小田さんは、うたがいをもつらしく、ただしました。
「女が鏡を命のごとく、たっとんだのは、わかっているが、主として結婚してからのことで、婚約に鏡をおくったかどうか、よくわからない。約束をおもんじた昔のことだから、たとえ鏡をつかったとしても、ふしぎのないことだが、古い文献をしらべたら、もっと、おもしろい発見が、あるかもしれない。」と、博士は、答えながら、頭をかしげていました。
「できることなら、この鏡を、もとの墓所にうずめてやりたい。」と、いった若い助手のねがいを、考古学者である博士は、ついに許したのでした。
助手の小田さんが、鏡を新しい木箱におさめて、北国へ旅立ったのは、夏もなかばすぎた日のことで、烏帽子岳のいただきから、奇怪な姿をした入道雲が、平野を見おろしながら、海の方へと、むかっていくところでありました。